一杯のお茶を飲むよろこび、一杯のお茶を淹れるたのしみ、
そのかけがえの無い一杯のために今年も遥か中国大陸、台湾、各地から
厳選した茶葉をお届けします。
祁門紅茶とは?
茶類:紅茶
原産地は安徽省の祁門県。温暖湿潤で良質なお茶作りに向いていたこの一帯では“茶経”の時代からお茶が生産されていました。1800年代後半、当時売れ行きが不振になった緑茶から紅茶の生産に切り替えて成功したのが、この祁門紅茶です。1915年パナマ太平洋万国博覧会で金賞を受賞、イギリス王室をはじめヨーロッパで愛飲されてきた銘柄です。

品質のよい茶葉は、細く硬くしまっていてきれいに揃い、艶のある紅黒色をしています。
お茶水は透明感のあるオレンジ色がかった紅色です。
祁門紅茶が放つ特有の花香と果実香、糖蜜のような甘い香りは、“祁門香”と称され、インドのダージリン、スリランカのウバと並んで「世界三大高香紅茶」のひとつに数えられ、中国に於いては時代によってメンツに入れ替えのある「中国十大名茶」に常に名を連ねています。

【産地】安徽省祁門県

Buyer's Memo
【祁門紅茶】
祁門紅茶は“世界三大高香紅茶のひとつ”、“中国十大名茶のひとつ”、なんて言われるからか、キームンと聞くと、なんだか背筋がピンと伸びる気がします。
そう、数多ある中国茶のなかでも、格調高く、上品な雰囲気をまとったお茶、という印象です。
キームン紅茶は生産が始まってほどなくヨーロッパへの主要輸出品目のひとつに大成長しますが、その背景にあるのが厳密な「等級分け」。17ある製茶工程の要所要所でその都度ふるい分けを行い、定められた基準によって等級を明確にすることで、輸出先とのやりとりや輸出時の処理を円滑に進めることができました。これは茶葉が仕上がった段階で、人間の五感を使って評価を行う中国茶の世界においては珍しいということができ、国内市場に出回る際にも比較的はっきりとした等級分けがされてきました。現在は主に各工場の基準で等級分けがされてます。

今年遊茶に入荷したのは特級クラスのキームンです。
お湯を注ぐと立ちのぼる甘い香りに、喉の奥から鼻にぬける上品な花香と果実香、美しいお茶水に、シルキーで雑味のないクリアな味わいは、名茶の風格充分に仕上がっています。
背筋をピンと伸ばして、熱々に沸かしたお湯を注げば、優雅で気品ある“祁門香”に包まれて、こちらまでしゃんとした気持ちになります。

おすすめの淹れ方
【祁門紅茶】
繊細で複雑な香りの“祁門香”を感じるなら、
蓋碗で淹れてみてはいかがでしょうか。
熱々のお湯を使って、しっかりと香りを引き出してください。
ぜひストレートで!

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
茶葉に直接お湯を当てずに、
お湯を勢いよく注いで茶葉を回転させます! -
茶葉が開いてきたら抽出してください
-
煎を重ねて、香りの変化も楽しんでね
淹れ方の目安(300㎖ポット)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回

祁門紅茶(きーむんこうちゃ)
20g 1,728円 パック入
20g 2,030円 缶入
ダージリン、ウバと並ぶ世界3大高香紅茶で中国紅茶の高級銘柄
糖蜜のような甘い香りに、ほのかに蘭やバラをしのばせたような気品
英徳紅茶とは?
茶類:紅茶
中国広東省の英徳市で作られる紅茶で、別名「英紅」とも呼ばれています。
19世紀前半、このあたり一帯では紅茶の生産が盛んになり、そのほとんどは輸出向けでした。英徳紅茶は海外市場で歓迎されて、当時、英国女王がゲストをもてなすためのお茶に英徳紅茶が選ばれたりと、ヨーロッパで人気を博しました。
今日では中国国内でも消費されるようになり、キームンや滇紅と並んで、中国紅茶の代表の一つに挙げられるお茶になっています。

茶葉の外形は濃褐色で艶があり、産毛のある淡いオレンジ色のゴールデンチップが混じっています。
赤みがかったオレンジ色のお茶水に、花や果物を思わせる香りと、柔らかな渋み、甘みのあるしっかりとしたボディが特徴です。

【産地】広東省清遠市英徳市

Buyer's Memo
【英徳紅茶】
英徳紅茶の産地である英徳一帯のお茶栽培の歴史は古く、1200年前、唐代に書かれた陸羽の茶経にも記述がされています。19世紀になると紅茶の生産が盛んになり、海外市場に向けて作られたのが始まりの英徳紅茶は、当時ヨーロッパで人気の紅茶の一つとなりました。
1950年代には、英徳に研究機関が作られ、雲南から大葉種、福建から鳳凰水仙種が導入されて品種開発が進みます。そうしたなか、主に雲南大葉種から選抜された茶樹で優良品種を開発し誕生したのが「英紅九号」です。1959年に広東省の茶葉研究所が製茶に成功して、生産が始まりました。英徳紅茶を作るのに品種の特定はないのですが、「英紅九号」は現在、主力品種として使われています。
2000年代になると中国国内でも紅茶が飲まれるようになり、英徳紅茶は国、地域、企業、研究機関が一体となって更なる産業の成長を目指し、ブランディングを行ってきました。

ひとくちに英徳紅茶といっても実はいろいろなタイプがあり、茶葉がカットされたブロークンタイプのものから、茶葉はカットせずに丁寧に作られる工夫タイプのもの、またライチ紅茶の原料に使われるものもあり、それぞれのお茶で価格や味わいにかなりの幅があります。
今回、遊茶の入荷した英徳紅茶は若草を思わせる少しグリーンな香りと共に花果香、ひやしあめのような甘い香りなど、淹れ方や飲むタイミングによっていろいろな香りが現れます。まるで香りの変化を楽しめる烏龍茶のような一面をもった面白い一品。もちろん味は、雲南大葉種から紅茶を作ったときの特長である、しっかりとした甘やかなボディを感じさせてくれます。
1つのお茶で“味の紅茶”と“香りの烏龍茶”の2方面から楽しめて、ストレートティーで飲んでも、濃く淹れてミルクティーにしても、どちらにも向いている英徳紅茶は、紅茶と烏龍茶のふたつの特長を持ち合わせた、いわば、いいとこどりのお茶だなぁ!と思ったりして。
中国国内では、近年、とにかく紅茶が元気。旺盛な消費に支えられ、生産量をぐっと伸ばしていて、英徳紅茶も例外ではありません。この紅茶ブームに乗って、ひょっとして英徳紅茶の時代が来る?!なんて思いながら、飲んでみたりして。

おすすめの淹れ方
【英徳紅茶】
紅茶なのでポットでゆったり茶葉を開かせながら、しっかり香りと味を一度に抽出するのがおすすめです。
この英徳紅茶の場合は「茶葉3gに300㎖の熱々のお湯で4分で抽出」を目安にしてください。
香りと味がよく馴染んで、両方をバランスよく感じながら飲むことができます。

手順とポイント
-
茶器をしっかり温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
熱々のお湯を使ってね。蒸らし時間は、基本の目安より少し長めに!
-
茶葉が開いてきたら抽出します
淹れ方の目安(300㎖ポット)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約3-4分
- 抽出回数
- 2 - 3回

滇紅とは?
茶類:紅茶
滇紅(てんこう)の「滇」は中国雲南省を表す言葉で、滇紅とは“雲南省で作られた紅茶”のこと。雲南紅茶とも呼ばれて、主に鳳慶大葉種など“雲南の大葉種”から作られます。1939年に滇紅工夫茶の製茶に成功し、生産が始まったお茶です。
作り方は大きく二種類で、茶葉をカットしないで作る“滇紅工夫茶(てんこうくふうちゃ)”とカットする“滇紅碎茶(てんこうさいちゃ)”があります。

滇紅工夫茶の茶葉の外形は黒く艶があり、産毛のある淡いオレンジ色のゴールデンチップが混じっています。最近では、より芽の部分を多く使い“高級滇紅”として売り出すものも登場しています。
オレンジ色のお茶水に、厚みのある滋味、柑橘系の香りと、まったりとした甘いあと味が特徴です。

【主な産地】雲南省鳳慶県

Buyer's Memo
【滇 紅】
滇紅(てんこう)の産地は雲南省、そう、あの有名なプーアール茶と同じで、原料となる主な茶葉も、どちらも“雲南の大葉種”です。
プーアール茶が一口に「プーアール茶」といっても、味や品質、価格にとても大きな違いがあるように、「滇紅」もその見た目、味、香りに、かなりの幅があるお茶です。
なので、滇紅の話になると「以前飲んだ滇紅は、すごく甘かった」「いや、私がもらった滇紅はキレがあって花香がした」「茶葉はオレンジ色の芽がたくさんあった」などなど、人によって“わたしの知っている滇紅”がそれぞれにあったりします。これは決して誰かの言っていることが違うわけでもなく、おそらくどれも正解で、滇紅は滇紅だったと思います。
実際、中国で「滇紅」を売っているお店にいくと、黒く細長い茶葉にゴールデンチップの混じったものから、産毛たっぷり巨大なオレンジ色の芽の部分だけで作られたものがあるかと思えば、くるっと丸まった形状のものなど、見た目だけでも色々あることに、びっくりするものです。

とはいえ、一方で“滇紅だ!”と感じる共通点はあります。
例えば、少しもったりとした厚みのあるボディと、サツマイモやカカオを思わせるまったりとした甘みとコク。そして意外に何でも合う“懐の深さ”。
ポリフェノールやカテキンの含有量が高い大葉種ならではの持ち味を充分に生かして作られた滇紅は、厚みのある滋味が特徴で、煎もちがいい。上手に作られた茶葉は、渋みが少なくあとに甘い香りが残ります。
また、玫瑰や龍眼、棗、ミルクなど、他のものと合わせても、味がぶつかることなく、お互いの風味を損なわない大らかな一面もある不思議なお茶。
個性的でありながら懐の深い「滇紅」は、毎回、驚きと安心感をくれる楽しい友人のようです。

おすすめの淹れ方
【滇 紅】
紅茶なので磁器のポットや蓋碗を使って淹れるのはもちろんOKですが、滇紅は「茶壷」を使っても面白いです。
茶壷で淹れると、かどが取れた丸みのある味を楽しめます。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
熱々のお湯を使ってね
-
茶葉が開いてきたら抽出してください
-
煎を重ねて、じっくり味わいます
淹れ方の目安(300mlポット)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約1分
- 抽出回数
- 4 - 5回

蜜香美人紅茶とは?
茶類:紅茶
東方美人の特徴である“蜜香”の風味をもたらしてくれるウンカの関与がある茶葉を使って、紅茶製法で作ったお茶、ということで「蜜香美人紅茶」と名付けました。

乾燥茶葉は、赤みがかった黒っぽい球形で、茶水は透明感のある橙がかった赤茶色をしています。
砂糖を焦がしたときのような香ばしい甘い香りは、カラメルや糖蜜、コーヒーゼリーを連想します。
渋味が少なく、クリアながらもコクのある味わい。
特徴的な香りと、厚みある滋味を兼ね備えた、烏龍茶のような紅茶のような風味を持ったお茶です。

【主な産地】台湾

Buyer's Memo
【蜜香美人紅茶】
蜜は蜜でもイメージするのはカラメルや、糖蜜、黒糖のような香り。
台湾で作られた「蜜香美人紅茶」は、その名前の如く、蜜のような甘い香りが印象的なお茶です。
よくよく飲みすすめると東方美人を思わせる花香、蜜香紅茶のような渋味のない甘めのボディ、そして紅烏龍のような熟した果実の香り、と幾つも重なり合ってハイブリッドな感じ。渋味は少なく、なめらかな味わいです。

今回、遊茶に初めて入荷した「蜜香美人紅茶」は、東方美人の原料にもなるウンカが咬んだ青心大冇(ちんしんだーもう)の茶葉を使って、しっかりと萎凋、揉捻、静置を行なうことで香気成分と芳醇な味わいを生成し、仕上げの焙煎で甘い香りを引きだして仕上げました。
作られ始めて今年で5年目となる蜜香美人紅茶。いろいろなお茶のいいところを生かしたような‘ハイブリッドな味わい’に、台湾茶のフロンティア精神を感じつつ、‘美味しい発見’を追い続ける作り手たちの不断の努力こそが、私たちに美味しいお茶との出会いをくれるのだと、頭が下がる思いです。

おすすめの淹れ方
【蜜香美人紅茶】
蜜香美人紅茶は、気負いなくさっと淹れても、存分にその良さが味わえるのが嬉しいお茶。
お手持ちのポットやチャトル®、蓋碗などお好きな茶器をご用意ください。
あつあつのお湯を注げば、甘く香ばしい香りが楽しめます。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
チャトルなら「茶葉3g」を基準に、お好みで調整
-
熱々のお湯を注ぐ、香りが立ちます
-
茶葉が開いてきたら抽出してください
淹れ方の目安 (300cc)
- 温度
- 90 - 95℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3-4回

紅玉紅茶とは?
茶類:紅茶
“紅玉”は品種の名称で「台茶18号」のこと。品種名がそのままお茶の名前になっている、台湾生まれの紅茶です。
長い年月をかけて作られた品種で、ミャンマー大葉種と台湾の野生種をかけ合わせて生まれた台茶18号は1999年に「紅玉」と名づけられました。なかでも台湾の紅茶作り発祥の地である魚池郷一帯で作られる紅玉紅茶は「日月潭紅玉紅茶」を冠して人気を集めています。

乾燥茶葉の形は細くよられた条形で、色は赤黒っぽく、お茶水は透明感のある美しい赤茶色をしています。
メンソール系のすっとした香りが印象的な、しっかりとした滋味を持つ台湾紅茶を代表する銘柄です。

【産地】台湾 南投県魚池郷など

Buyer's Memo
【日月潭紅玉紅茶】
台湾茶と言えばイメージは高山茶や凍頂茶などの「烏龍茶」。事実、台湾で生産・消費されているお茶の大部分が烏龍茶です。なので「紅玉は台湾を代表する紅茶です!」と言われても、最初はぴんと来ないかもしれません。
でも、もし紅茶好きであれば一度試してみてくだい。世界三大高香紅茶と言われる「ダージリン、祁門、ウバ」に負けないくらいの個性と品質を持っているのがこの「紅玉紅茶」です。
台湾では日本統治時代の1930年代から主に海外への輸出を目的として、本格的な紅茶の生産が始まりました。当時は、これといった銘柄はなく、1965年をピークにその後、台湾紅茶の輸出は低迷します。ここからの起死回生に繋がったのが、1999年、台湾大地震後の産業振興として誕生した「紅玉」でした。紅玉紅茶は他にはない優れて特徴的な風味が評価されて“高級茶”として認められるようになったのです。

紅玉紅茶の特徴は、なんと言っても、その香り。印象的なメンソール系の香りの奥に、みずみずしい果実香、柔らかな花香、後熟とともに現れる甘い香りが自慢です。
台湾烏龍茶たちの人気をよそに、他にない個性を放つ紅玉紅茶には、なんだか台湾茶の底力を感じます。

おすすめの淹れ方
【日月潭紅玉紅茶】
紅茶であり、香りもボディもはっきりしているので、
磁器のポットか蓋碗で淹れるのがおすすめです。
熱々のお湯を注いだ瞬間から立ちのぼる“紅玉”の香りが早くもごちそう!
煎持ちがよく、香りが続くのでお湯を継ぎ足しながら何煎も美味しく飲むことができます。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
熱々のお湯を注いでね!
-
茶葉が開いてきたら抽出してください
-
お湯を継ぎ足しながら、何煎も飲めます
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回

日月潭紅玉紅茶(にちげつたんこうぎょくこうちゃ)
20g 1,728円
メンソール系の香りの奥に広がる、青りんごのような果実香とスパイシー感
しっかりとしたボディと切れのある渋み、ほんのり甘い余韻の台湾を代表する紅茶です
武夷岩茶とは?
茶類:烏龍茶(青茶)
福建省北西部に位置し、世界遺産にも登録されている「武夷山」。36峰99岩と表される厳しくも美しい自然に恵まれた武夷山の地で育った茶葉で作られる烏龍茶が「岩茶」です。
茶樹は岩々の隙間に根を張り、この土地の気候、水、土壌の成分を吸い込んで育ち、それが岩茶特有の風味となって現れます。
その昔、岩茶の代名詞となった「大紅袍」が皇帝の病を治したという伝説はあまりにも有名で、その母樹は樹齢360年と言われ、今でも手厚く保護されています。

岩茶の名称は400以上あるとされ、品質の高さと歴史的経緯から“四大名欉”と称される大銘柄から、近年人気の“肉桂”や“奇蘭”“黄観音”など品種を名前とするものまで、命名方法も多種多様。
ふんわりねじられた条形の茶葉に、クリアで赤みがかった褐色のお茶水、焙煎香の奥から現れる花や果実にも似た甘い香り、そして柔らかくも厚みのある滋味。この巌茶特有の風味と余韻は“岩韻”と称され、この岩韻を持つお茶こそが岩茶である証しと言えます。

【産地】福建省武夷山風景区

Buyer's Memo
【武夷岩茶】
茶樹はどこ?名前の如く岩々の合間に点在する茶園の茶樹は、この武夷山の水、土壌、自然の恵みを一身に受けて育ちます。この土地の豊富なミネラル成分を蓄えた茶葉で作られる岩茶は、武夷山でしか作ることができない貴重なお茶と言えます。
とはいえ、初めて飲んだ時は「ん?美味しいけど岩茶って伝説があるほどのお茶なの?」というのが正直な感想かも。茶色っぽいお茶水でわかるように、焙煎香が際立ち初めのうちはそれ以外の微妙な香りや、複雑な味わいに気が付かない。
いま思えばそれは私自身が“茶の気”なるものを感じられない、ひよっこだったから。でも懐深い岩茶はそんなことで、私を弾かない。常にあるがまま存在して、いつか私が“茶の気”に気が付くことを待っていてくれたのだと思う。

こちらがじっくり、丁寧に向きあうことができるようになって、徐々に“岩茶”を感じられるようになっていきました。香りと滋味と余韻、お茶が静かに私の身体に沁み込んでくるような感覚。
ふと気が付けば、身体があたたまってきたような、気持ちが和らいできたような。
それは飲んだひとだけが“感じられる”もの。
ですから、まずは試しに飲んでみてください。慌てずに、ゆっくり、じっくりと。
じんわり岩茶の力“茶の気“を、きっと体感していただけるはずです!

【武夷岩茶】
口の広い茶壷で茶葉を壊さず入れて、ゆったり開かせてください。茶壷で淹れると香りと味がバランスよくお茶水に馴染みます。
煎を重ねても続く余韻を楽しんで。
焙煎香が強いときは温潤泡(※)すると香りのバランスがよくなります。
(※)温潤泡・・・茶葉に最初に注いだお湯をすぐに捨てることで、茶葉表面の焙煎香や雑味を軽く取り除くと同時に、茶葉を温める効果がある。こうすることで2回目にお湯を注いだ際、短時間で茶葉が開き、熱く香りの高い状態ですっきりした風味の茶水を抽出することができる

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
熱々のお湯を注ぐ
茶器をしっかり温めて、お湯は熱々を使ってね。
香りが立ちます。 -
茶葉が開いてきたら抽出してください
-
熱々のお湯を継ぎ足して何煎も楽しめます
淹れ方の目安(300㎖ポット)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 4 - 5回

岩茶大紅袍(がんちゃだいこうほう)
10g 2,160円 パック入
10g 2,462円 缶入
数々の伝説を持つ“岩茶の王様”大紅袍は、煎を重ねて続く上品な味わいと
身体に染みこむ滑らかな茶水、岩茶ならではの余韻が静かに訪れます

岩茶奇蘭(がんちゃきらん)
20g 2,376円 パック入
20g 2,678円 缶入
閩南から武夷山に持ち込まれて根付いた品種「奇蘭」、その際立つ個性ゆえに一躍人気銘柄に
軽い焙煎香と品種特有の華やかで甘くスパイシーな花香が際立つ逸品です

岩茶百瑞香(がんちゃひゃくずいこう)
20g 2,592円
柔らかなあたりで身体に染み入る「百瑞香」。仄かな焙煎香と入れ替わるように、
幾重にも重なる花香と果実香、水蜜糖のような甘みある余韻がつづきます
鳳凰単欉とは?
茶類:烏龍茶(青茶)
広東省潮州、まるで鳳凰が羽を広げたように連なる鳳凰山一帯がこのお茶の産地、この辺りでは南宋の時代からお茶が作られていました。
「単欉」は1株、単独の樹という意味。元々、その茶樹ごとの品質と個性を生かすために、茶樹1本1本を単独で製茶して、他の樹の茶葉と混ぜない作り方をしたことが名前の由来です。

80以上もの銘柄があり、香りの特徴によって「十大香型」と呼ばれる10種に分けられ、“蜜蘭香”や“芝蘭香”“夜来香”など、その香りの種類が銘柄になっているものもあります。
縦撚りの茶葉、オレンジがかった黄金色のお茶水に、最大の特徴である輪郭のはっきりした花香や果実香、心地よい収斂味と、強い余韻。いつまでも身体のなかに残る香りが、まるで自然が作り出した’香水’のようなお茶です。

【産地】広東省潮州市潮安区鳳凰鎮

Buyer's Memo
【鳳凰単欉】
初めて口にしたとき「え、これはお茶?なんだか初めての香り!」と味わったことのない感覚に高揚感と、戸惑すら感じたのがこのお茶との出会いです。心地よい収斂味と強めのボディ、身体の中に残る甘く華やかな香りは、少し大人で特別な感じがしたのを覚えています。
色々な銘柄があるものの、単欉に共通して感じるのがこの凛とした香りと適度な収斂味、口の中に広がる圧倒的な余韻。この忘れがたい“単欉体験”は心地よくお酒に酔うかのように、醒めるとまた味わいたくなる、そんな感覚にも似ているでしょうか。
単欉の産地潮州では、この濃い香りのお茶を小ぶりの蓋碗で淹れ、小さな飲杯を使って、友人や客人と語らいながら何杯も煎を重ねて飲むのですが、この楽しみ方はまるでお酒を酌み交わしているよう!と思ったものです。

今年、遊茶に届いた「蜜蘭香」は‘蜜と花’の香りがバランスよく感じられるジューシーでしっかりとしたボディ。「芝蘭香」は、上質な花香が喉の奥で強く香る感じ。「鴨屎香」は持ち味である‘乳香’が穏やかに香ります。そして今回、初入荷した「塌堀後(とうくつご)」は、ベリーのような白桃のような甘やかで濃い香りが特別な逸品。身体の奥に残る“純度の高い香り”が一線を画しています。
それぞれに異なる香りの感じや、残り方を味わうのも面白いものです。
目に見える形はなく、すぐに消えてしまう’香り’ですが、それは一杯一杯が唯一無二の単欉体験として自分自身の身体のなかに刻まれて、深く静かに残ります。
ひとりでしみじみ味わうもよし、さしでゆっくり飲むもよし、3人で楽しく語らうもよし。くれぐれも“お茶酔い”には気を付けながら、単欉の香りに酔いしれます。

おすすめの淹れ方
【鳳凰単欉】
香りの微差を楽しむのに、磁器の蓋碗で淹れてダイレクトに茶葉の香りを感じてみてください。
3煎くらいまではさっと抽出する淹れ方で、都度変化する香りを楽しみます。
4煎目からは徐々に抽出時間を長くしてみてください。煎を重ねると現れる甘みを味わえます。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
熱々のお湯を注ぐ
茶器をしっかり温めて、お湯は熱々を使ってね。
香りが立ちます。 -
3杯目くらいまでは早めにさっと抽出してください
-
熱々のお湯を継ぎ足して何煎も楽しめます
淹れ方の目安(300㎖ポット)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 4 - 5回

鳳凰単欉塌堀後(ほうおうたんそう とうくつご)
10g 2,700円
‘崩れた凹み’に母樹があったことから名付けられた銘柄
クチナシを思わせる花香とベリーや白桃のような果実香、クリアで純度の高い香りが高品質の証


鳳凰単欉鴨屎香(ほうおうたんそうやーしーこう)
20g 2,376円
その昔、このお茶を飲んだ人があまりに良い香りなので、
その茶樹を内緒にしようと、わざとこんな名を付けたというのが名前の由来。・・・これが“秘密にしたかった香り!”

鳳凰単欉蜜蘭香(ほうおうたんそう みつらんこう)
20g 3,240円 パック入
20g 3,542円 缶入
焙煎香の奥から現れる桃やライチを思わせるフルーティーな香りと、ほのかに甘い花香
単欉の代表的な香りの形の一つで、一番人気の香りは初めて単欉を体験する方にもお勧めです

東方美人とは?
茶類:烏龍茶(青茶)
“偶然”によって生まれた東方美人は、古くは19世紀にヨーロッパで評判となり、グラスの中を茶葉が舞う姿の美しさから“オリエンタルビューティー”と名付けられたという伝説が残る台湾独特の烏龍茶です。
上質なものは芽と若い葉の部分を使い、乾燥茶葉の形は美しく褐色、白、紅、黄色、緑と色彩豊か。原料茶葉には主に青心大冇、青心烏龍、白鷺(台茶17号)などの品種が使われます。

やや濃いめの明るい琥珀色をした茶水に“花のような、蜜のような、果実のような“他にはない独特の風味こそが東方美人!似て非なるものが存在しない唯一無二の銘柄です。

【主な産地】台湾北部 新竹県、苗栗県、桃園市、新北市など

Buyer's Memo
【東方美人】
美しい茶葉の姿もさることながら、東方美人に欠かせないのが通称“ウンカ”という虫の関与。
この虫が茶葉の芽を咬むことによって、茶葉の中で起きる化学反応とそれを生かした製茶技術で花のような、蜜のような独特の風味が生まれます。すなわちこの風味こそが東方美人、最大の特徴と言えるでしょう。
飲み慣れてくると「あ、これ東方美人系のお茶かも」と共通の気配を感じられるようになります。

どんなお茶も土壌、天候、原料となる茶葉の質、製茶の技術等々いくつもの条件が重なって出来上がるので、全く同じものはないとは言えますが、さらにもう一つ“ウンカの作用”という自然の条件が加わる事で成り立つ東方美人茶は、まさしく自然と人との偶然の出会いがもたらしてくれる“’奇跡の香りを持つ烏龍茶”です。
となれば「この東方美人はどんな香りがするのだろう」「今年のはどんな味だろう」と毎回わくわくしながら、自分好みのお茶に出会えたときの喜びは言葉にできません。
今年、遊茶に入荷した「麗妃東方美人」は、香りの現れ方を表現すると、トップノートで輪郭のあるきりりとした花香、ミドルノートで柔らかな蜜香や透明感のある甘い花香、果実香がのってきて、ラストまで上品にバランスよく香りが続いていくイメージです。
「白鷺東方美人」は軽やかな花香からはじまり、奥に持つ甘い香りが徐々に現れて、やさしい蜜香とリッチな果実香の味わい。
実は東方美人は、製茶してから時間とともに風味が変化していくお茶でもあります。東方美人特有の蜂蜜を思わせる甘い香り‘蜜香’は、製茶したての時よりむしろ数か月後、一年後に顕著に現れる香り。東方美人の茶農さんからは「11月頃から飲みごろだよ」と言付かっています。
飲み時によって感じる味わいが変わったり、時間の経過とともに香りの変化を楽しむことができるのも、このお茶の面白いところです。

おすすめの淹れ方
【東方美人】
美しい茶葉をゆったり開かせてあげると香りと味がバランス良く出て美味しくはいります。
茶葉の香りの変化を楽しみたいときは、蓋碗や小さめポットを使って、
1煎目、2煎目、3煎目・・・と淹れて、飲んでみてください。
煎ごとの香りの変化を感じながら、楽しめます。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
湯温は90℃くらい。茶葉に直接お湯を当てないでね!
-
1煎目は茶葉が開いてきたら早めに抽出。
2煎目、3煎目、は抽出時間を延ばながら、茶葉がもつ香りと味わいを引き出します
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 約90℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回


鉄観音・黄金桂とは?
茶類:烏龍茶(青茶)
Q:鉄観音と黄金桂ってどんなお茶?
中国国内で最も名の知れた烏龍茶といえば鉄観音であり、その鉄観音に迫るのが黄金桂。いすれも産地は福建省南部。福建省は“閩(min)”と称することから両者をして「閩南烏龍茶」の代表とも言えます。
Q:なぜ有名なの?
「閩南烏龍茶」と呼ばれるお茶にはいくつもの品種が存在しますが、鉄観音と黄金桂はそれぞれに香気をはじめとした優れた品種個性が明確で、生産性も高いことから多く栽培され、広く知られるようになりました。

鉄観音は「鉄観音」という品種から作られ、明確な花香と厚みのある滋味が特徴です。お茶水の色が鮮やかな黄緑色で爽やかな香りを引き出す「清香タイプ」から、しっかりと揺青して焙煎して仕上げる「濃香タイプ」まで風味には幅があります。
黄金桂は「黄旦」という品種から作られ、キンモクセイのような香りとすっきりとした味わいです。
どちらも香味における品種の個性が強く、経済作物としての生産性が高いことから中国の国家優良品種として認められています。黄金色に輝く茶水と強く華やかな風味は、まさしく大陸烏龍茶の“華”と言っても過言ではありません。

【産地】福建省安渓県

Buyer's Memo
【鉄観音・黄金桂】
烏龍茶発祥の地の一つとされる福建省南部(閩南)を代表する烏龍茶で、見た目も半球形状と共通点が多いとは言えますが、香味においてはそれぞれに揺るぎなき特徴があります。
黄金桂は、キンモクセイの花のような香りと称され、その高い香りは天にも届きそうと“透天香”との別名があるほど。そんな爽やかで明確な花香と奥底に漂うほんのりミルキーな香りに、すっきりした味わいが特徴です。
今年、遊茶に入荷した黄金桂は、この特徴が特にはっきりと感じられる逸品です。

鉄観音は、蘭の花にも喩られる香り、厚みある滋味に、あとを引く収斂味が持ち味。その風味は“音韻”と表され、烏龍茶を語る上では外せない「名茶」です。ちなみにその風味は大きく2つのタイプに分かれ、フレッシュ感を生かして仕上げる「清香系」と、仕上げの焙煎を重めにするなど伝統的な作りの「濃香系」があります。清香系は華やかで強くキレのある花香、濃香系は華やかな花香に加えて、蜜のような甘い香りを特色とします。買う際には、先ずはお好みの香味のタイプで選んでみてください。
どちらも他にない隠しきれない個性は、あの広い広い中国大陸で生まれ育ったからこそなのだろうと、中国茶の強さを感じずにはいられません。飲む度に“強さと華のあるお茶”に元気を分けてもらっているようです。

おすすめの淹れ方
【鉄観音・黄金桂】
ざっくり淹れてもその強さと華やかさは顕著です。
気負わず、お手持ちのポットや急須でも美味しく淹れられます。
煎を重ねても続く力強さも嬉しい限りです。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
熱々のお湯を注ぐ
茶器をしっかり温めて、お湯は熱々を使ってね。
香りが立ちます。 -
茶葉が開いてきたら抽出してください
-
熱々のお湯を継ぎ足して何煎も楽しめます
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3-4回

安溪祥華鉄観音(あんけいしょうかてっかんのん)
20g 1,620円
柔らかな焙煎香の後にやってくる華やかな蘭花香に、糖蜜を思わせる甘い香りと、
心地よい収斂味を伴う芳醇な滋味。伝統的な作りで仕上げた、これぞ“鉄観音の王道”

黄金桂(おうごんけい)
40g 1,620円 パック入
40g 1,922円 缶入
キンモクセイの花のような華やかな香りと爽やかな喉越し
大陸の烏龍茶らしい力強い花香と、ミルキーな香りが口のなかに広がります

清香安渓鉄観音(せいこうあんけいてっかんのん)
40g 1,728円
蘭の花の香りに喩えられる華やかで清々しい香りとしっかりした滋味
清香の爽やかさを存分に味わいつつ、鉄観音品種の力強さを実感します

濃香安渓祥華鉄観音(のうこうあんけいてっかんのん)
40g 1,728円
しっかりと焙煎をかけて仕上げた“濃香タイプ”の鉄観音
火入れの甘い香ばしさに続き、鉄観音品種がもつ花香と厚みのある滋味が現れます
凍頂烏龍茶とは?
茶類:烏龍茶
およそ200年前、福建省から持ち帰った茶樹が凍頂山に植えられ、移植に成功したのがこのお茶の始まり、と言われています。凍頂山で作られた烏龍茶ということが名称の由来ですが、今では伝来した当時に近い伝統的な製法で作られたお茶にも付けれるようになり、凍頂烏龍茶という名称ながら、凍頂山以外が産地というお茶が増えています。
形は固く丸められた半球形状で、茶水は深い黄色から少し緑ががった黄金色、優しい花香とほのかな甘み、そしてコクのある滋味が持ち味。このバランスが良く飽きのこない風味は長年にわたって多くの人に愛されています。

まずは製法、それに加えてその茶畑ごと、茶師ごと、その年ごとで茶葉の風味や品質はいろいろです。同じものはないのが面白いところだと思って、いろいろな’凍頂’に出逢ってみてください。

【主な産地】台湾南投県鹿谷郷など

Buyer's Memo
【凍頂烏龍茶】
烏龍茶と呼ばれる茶類の風味にはかなり幅がありますが、分かりやすい違いと言えば「焙煎の度合い」。
軽やかに仕上げて爽やかな風味を引き出す「清香タイプ」と、強めにして少し香ばしく、ボディを強めに仕上げる「焙香タイプ」の主に2つに分かれます。
遊茶では「清香タイプ」と、伝統的製法による「焙香タイプ」の2つをご用意しました。
軽やかな風味で飲みたいときは清香タイプの「凍頂烏龍茶」を。ほんのり香ばしく甘い香りとしっかりめに飲みたいときは「焙香凍頂烏龍茶」を。お好みの焙煎加減で選んでみてください。

どちらも凍頂烏龍茶の持ち味でもある穏やかな花香とやさしい甘みを持ちつつ、軽すぎないボディは飲んでいて心地がいい。初めて飲んだ時から、なぜか初めてではない気がするのがこのお茶の不思議なところです。
最近では高山茶人気に押され気味なところでもありますが、今でも変わらず凍頂烏龍茶がくれる安心感と満足感には台湾随一のブランド茶としてのプライドを感じます。いつ飲んでも好印象な凍頂烏龍茶は、まるで’台湾茶のアンバサダー’のようです。

おすすめの淹れ方
【凍頂烏龍茶】
すっきりながらも軽すぎないボディの凍頂烏龍茶は紫砂の茶壷で淹れてみてはいかがでしょう。
球形に近く、100㏄以上の容量があり、中で茶葉がゆったり開けるサイズが適しています。
角がとれてまろやかな茶水は、身体にすっと染み込みます。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
熱々のお湯で淹れてね。香りが立ちます。
-
茶葉が開いてきたら抽出してください
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回

凍頂烏龍茶(とうちょううーろんちゃ)
40g 2,052円 パック入
40g 2,354円 缶入
凍頂山に茶樹が植えられて200年余、今なお愛される台湾烏龍茶の代表格
爽やかな花香、柔らかな甘み、穏やかな旨味のベストバランス

焙香凍頂烏龍茶(ばいこうとうちょううーろんちゃ)
40g 2,052円
きなこを思わせる仄かに甘い焙煎香に、ややしっかりめのボディ、穏やかな花香
飲む人を弾かない、バランスのとれた“焙香タイプ”の凍頂茶です
文山包種茶とは?
茶類:烏龍茶(青茶)
およそ200年前、福建省から台湾に茶樹と製茶技術がもたらされた土地の一つが台湾北部の文山地区。香り付けをせず、茶葉だけで花のような香りを持つお茶を目指して作られたのが始まりです。
形は固く丸められた球形状の烏龍茶が多い台湾でほぼ唯一、軽くよられた’条形’をしています。深い緑色をした条形の茶葉と黄緑色の茶水、優しい口当たりと爽やかな花香が最大の特徴。台湾では「清茶」という名前で呼ばれたりもします。

今では台湾を代表する烏龍茶の一つですが、葉内酵素の活性による変化が少ない作りのため、緑茶のような風味も感じられ、クセがなくさらりとした味わいのお茶です。

【産地】台湾北部 新北市坪林など

Buyer's Memo
【文山包種茶】
もともと茶葉だけでまるで花のような香りのするお茶を目指して作られた文山包種茶は、
軽やかな花香を出すために重い焙煎をかけないため、その加減一つで茶葉ごとの香りは微妙に異なってきます。
今年入荷したのは、文山包種ならではのクリアな清香を持ちつつ、青味は少なく、ほのかな甘みと旨みを感じられる全体的にバランスのとれた仕上がりです。

淹れるときには、熱々のお湯を注ぐと軽やかな香りが、暑い夏には水出しにしてより爽やかなのど越しを、と色々な飲み方でこのお茶の目指した’爽やかな花香’を感じてみてください。

おすすめの淹れ方
【文山包種茶】
すっきり爽やかな花香が持ち味の文山包種は 熱々のお湯でさっと淹れて、
その軽やかさを楽しむのがおすすめです。
蓋碗の蓋の裏に、甘い残り香を感じられるかも。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
熱々のお湯で淹れてね。香りが立ちます。
-
茶葉が開いてきたら抽出してください
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 90 - 100℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4煎

四季春・金萱とは?
茶類:烏龍茶(青茶)
Q:四季春、金萱ってなに?
A:どちらも茶樹の品種名です。金萱は台茶12号とも呼ばれ、40年の歳月をかけて品種改良されて1980年代に品種として認定、四季春は茶農さんが見つけた品種と言われています。
Q:お茶の名前ではないの?
A:品種の名前が茶名になっています。それほど品種特性がはっきりしているということですね。

どちらも台湾独自の品種でそれぞれ風味に特徴があります。四季春はフレッシュな花香、金萱はミルキーな香り、いずれも渋みが少なく口当たりが良いため、台湾茶を好きになるきっかけのお茶になった方も多いはず。
品質、量とも安定的に生産できる優良な茶葉として台湾各地で生産され、台湾茶の人気銘柄として仲間入りしたお茶です。

【主な産地】台湾中部 南投県/嘉義県など

Buyer's Memo
【四季春・金萱】
それぞれに特徴的な香りをもつ四季春と金萱。
四季春は、いつも春であるかのように一年を通して採茶できることから名付けられました。香りの特徴もまるで花畑にいるかのようなフレッシュな花香です。
今年遊茶に入荷した四季春茶は、四季春らしい花香を持ちながらも、すこし焙煎がかかった、柔らかな甘い香りがする仕上がりになっています。
この香りをストレートで楽しむのはもちろん、最近ではアレンジティーのベースのお茶としてや、スイーツにも使われたりと、人気の幅は益々広がっています。

一方、金萱の特徴は何と言っても“乳香”と称される、ミルキーな香り。このバニラのような甘い香りが感じられるとして人気の金萱茶は、香料をつけたタイプもありますが、こちらのミルクを思わせるほんのり甘い香りは品種由来の天然のものです。
2023年の阿里山金萱茶は、淹れた瞬間からこのミルキー感がふわっと立ちのぼり、口に含むと鼻から抜けていく心地よさ。金萱特有の甘い香りを存分に楽しませてくれます。
どちらのお茶も熱々のお湯さえあれば、気負わずざっくり淹れて香りが出やすく、たくさん飲めて、コスパがよい。
となれば、何かをしながら好きな香りをいつも傍らに…“ちょっと贅沢な毎日のお茶“です。

おすすめの淹れ方
【四季春・金萱】
ざっくり淹れても香りが出やすく、
茶葉を浸けておいても渋みが出にくいため
Chattle®で継ぎ足しのみに向いています。

手順とポイント
-
お湯を沸かす。ポットなら再沸騰で熱々を用意する
-
茶葉を入れる。Chattle®なら約3g(底に軽く敷き詰めるくらいの量)
-
お湯を注ぐ
熱々のお湯で香りが立ちます
-
茶葉が開いてきたら飲み頃です
-
飲み切る前に、お湯を継ぎ足してね
味の落差が少なく、長く美味しく飲めます
淹れ方の目安(300cc)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回


阿里山金萱高山茶(ありさんきんせんこうざんちゃ)
40g 1,944円 パック入
40g 2,246円 缶入
ふわっと香るバニラのような香りは、品種由来のもの
少しまったりした緩やかな甘みが口のなかに広がります
白芽奇蘭とは?
茶類:烏龍茶(青茶)
福建省平和県の大芹山一帯が主な産地。
清の時代・乾隆年間に、大芹山の麓に生えていた“白緑色をした新芽の茶樹”からお茶を作ってみたところ、蘭のような良い香りのお茶ができたので、「白芽奇蘭」と名付けた、という物語をもつ烏龍茶です。

乾燥茶葉は、やや深い緑色の半球形状で、
茶水は、明るい黄色~褐色がかった黄緑色をしています。
上品な蘭花香で、渋みが少なく、やさしい甘みとすっきりとした滋味をもつ閩南烏龍茶です。

【主な産地】福建省漳州市平和県

Buyer's Memo
【白芽奇蘭】
福建省で作られる烏龍茶“閩南烏龍茶”のなかで、圧倒的な“蘭花香”を持つ「鉄観音」と“キンモクセイ”のような強い花香の「黄金桂」がツートップだとすると、控え目に“奥ゆかしく香る”のが「白芽奇蘭」です。
白っぽい色をした新芽で、淹れたお茶が蘭のような香りがすることから名付けられた「白芽奇蘭」は、柔らかな花香と、ほんのりとした甘い香りが特徴で、渋みは少なく時間と共に収斂味が現れます。

白芽奇蘭の風味には、焙煎を軽めにしてフレッシュ感を楽しむ“清香タイプ”から、焙煎をかけて落ちついた味わいに仕上げる“焙香タイプ”と幅があります。
今年のお茶は明確な蘭花香と、柔らかな焙煎で引き出した甘みを持ち合わせた華やかさのある仕上げになりました。
輪郭ある花香と切れのある滋味をもつ“端麗なお茶”です。

おすすめの淹れ方
【白芽奇蘭】
白芽奇蘭は、熱々のお湯で短時間で抽出すると軽やかな香りに、
少し多めの茶葉で淹れると、濃い香りでしっかり味わうことができます。
軽やかに飲みたいときは、“さっと抽出”、
強めの味・香りがお好みの方には“やや茶葉多め”淹れで調整してみてください。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
チャトルなら「茶葉3g」を基準に、お好みで調整
-
熱々のお湯を注ぐ、香りが立ちます
-
茶葉が開いてきたら抽出してください
淹れ方の目安 (300cc)
- 温度
- 90 - 95℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3-4回

高山茶とは?
茶類:烏龍茶(青茶)
高山茶とは“海抜1000m以上の場所で育った茶葉から作られたお茶”
の総称ですが、実は明確な定義があるわけではないのが不思議なところ。
というのも最初から“高山茶”というジャンルのお茶があったわけではなく、
およそ200年前、大陸から伝わったお茶作りが台湾で発展していくなかで茶園開発が進み、
海抜の高い場所でも作られるようになったお茶をいつしか「高山茶」と呼ぶようになったようです。

まるで高山の澄んだ空気のようなクリアで穏やかな香りに、スムースな口当たり、 奥深い滋味は多くの人を魅了し、高い評価を得ると共に台湾烏龍茶の’最高峰’の風格を醸し出しています。

【産地】台湾 大禹嶺/阿里山/梨山/杉林渓

Buyer's Memo
【阿里山・大禹嶺・梨山・杉林渓】
寒暖差が大きく霧が多い環境のなかで育った茶葉から作られる高山茶は
まろやかな口当たりと繊細で抜けるような花香、旨味ある滋味、
穏やかに続く甘みが特徴です。
この高山茶特有の風味は“高山気”と称され、裏を返せば
その風味を持ち合わせてこそ「高山茶」であると言えます。
阿里山、大禹嶺、梨山、杉林渓など其々の山の名前を冠していますが
山ごと、茶畑ごと、その年ごとに風味が異なるのが面白いところ。

2023年の台湾春茶は、茶農さんによると昨年の水不足、今年になってからの低温で全般的には産量が少なく、市場価格も上がっているとのことです。
こうしたなか、高山茶のなかで圧倒的な知名度を誇る「阿里山高山茶」は、今年も軽めの火入れで仕上げました。優しい花香と、すっきりしたのど越しで、バランスのとれた心地の良い味わいにできあがっています。
人気の「梨山」は透明感のある繊細な口当たりに花香、柑橘系を思わせる柔らかな香りが上品な一品。今年は檸檬のような爽やかさと高山茶の旨みを感じられる仕上がりになっています。
森林の静寂を感じるような凛とした佇まいの「杉林渓」は、今年も優しい甘みと深い余韻が感じられます。竹林の傍で育った茶葉は、穏やかで渋みはなく、優雅な花香と厚みある滋味の“高山気”が感じられる仕上がりになりました。
深呼吸をして高山の澄んだ空気を味わうかのように、ゆっくり煎を重ねてみてください。
一杯ごとに変化する味と香りはお茶が「一期一会」であることを思い出させてくれます。

おすすめの淹れ方
【大禹嶺・阿里山・梨山・杉林渓】
繊細な香りの高山茶を楽しむときは
肌理(きめ)の細かい台湾茶壷で淹れてみては如何でしょう。
さらに聞香杯を使って、香りを聞くのも一興です。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
熱々のお湯を注ぐ
茶器をしっかり温めて、お湯は熱々を使ってね。
香りが立ちます。 -
茶葉が開いてきたら抽出してください
-
煎を重ねて味と香りの変化を楽しんで!
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3-4回


杉林渓高山茶(すぎばやしけいこうざんちゃ)
20g 2,484円
クリアな花香につづく、コーンのような甘い香りと口の中に広がる奥行きある滋味
凛とした高山の澄んだ空気のような深い味わいは丁寧に作られたことの証

白牡丹とは?
茶類:白茶
白い産毛を纏った芽と緑の葉の部分から成る茶葉の姿が
まるで牡丹の花のよう、ということから名付けれたと言われる白牡丹。
福建省北東部の「福鼎」と「政和」が2大産地です。
摘採後に“萎凋”と“乾燥”のみという六大基本茶類の中で最もシンプルな製法で作られる白茶は、出来上がった後は時間をかけてゆっくりと変化していきます。現在「一年茶、三年薬、七年宝」と称され、飛躍的に消費が高まっています。

軽やかな陽の香りとグリニッシュ感を纏い、奥から現れる上品な花香、芳醇な滋味。まるで“白い紅茶”のような味わいを持ち合わせています。
昔から身体の内部にこもった熱を鎮める作用があるとされ、特に香港や東南アジアなど気温も湿度も高い地域で好んで飲まれてきた白茶は
蒸し暑い日本の夏にも相性のいいお茶です。

【産地】福建省政和県/福鼎市

Buyer's Memo
【白牡丹】
近年、中国では’白茶ブーム’が続いています。
抗酸化作用や去熱作用といった白茶の持つ機能性に注目が集まり、美容や健康分野での需要が高まっています。一方、お茶好きの間では、時間が経った茶葉を「老白茶」と称し“ヴィンテージ茶”として嗜む人々が増えています。
「一年茶、三年薬、七年宝」のキャッチフレーズのとおり、白茶は出来上がったその年にはフレッシュな風味を、時間が経過したものは角がとれた深みある風味を、と味の変化を楽しめて、健康にも有効的となれば、もはや放っておけません。

白茶の機能や熟成する美味しさを、おそらく経験的に知った先人たちに対し、現代の私たちは科学的根拠を伴ってその良さを再認識しているといったところでしょうか。
「古くて新しいお茶」を飲みながら、どの世界にも温故知新の出会いがあるのだと嬉しくなります。

おすすめの淹れ方
【白牡丹】
蓋碗やポットを使って熱いお湯で淹れるのはもちろん美味しいですが
暑い夏には水出しにして、お気に入りのグラスでどうぞ!
口に含むと甘くグリニッシュな香りが、喉の奥から戻ってきます。

手順とポイント
-
茶葉を入れる(茶葉8 - 10g)
茶葉を贅沢に使うと風味がしっかりと抽出されます
-
常温の水を注ぐ(水750mℓ - 1ℓ)
-
冷蔵庫で一晩(約10 - 20時間)
-
お気に入りのグラスで!
淹れ方の目安(300ccポット ★熱く淹れる場合)
- 温度
- 85 - 95℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回

紅烏龍とは?
茶類:烏龍茶
紅烏龍は、ひと言でいえば烏龍茶と紅茶を合体させたような作り方をしたお茶。烏龍茶と紅茶のそれぞれの品質を生かす形で、台湾烏龍茶のなかで最も酵素活性をさせて作るお茶です。
東方美人のような蜜香を持つものもありますが、紅烏龍の場合、ウンカの関与は必須ではありません。
特産のお茶がなかった台東県の茶業の再生を図るべく2008年に誕生した紅烏龍は、徐々に注目と人気を集めるようになり、今では台湾烏龍茶の一つ銘柄として知られるようになりました。

乾燥茶葉の形は球形で、色は赤黒っぽく光沢があり、お茶水は透明感のあるオレンジががった赤色をしています。
熟した果実を思わせる甘い香りに、ほのかな蜜香と花香、厚みのある滋味の、烏龍茶のような紅茶のような香味が特長です。

【産地】台湾/台東県鹿野郷

Buyer's Memo
【紅烏龍】
紅烏龍の話になると、よく聞かれるのが「これは烏龍茶なのですか?」「紅茶っぽいから紅茶ではないのですか?」という疑問。確かに赤みがかったお茶水の色や滋味は紅茶を思わせ、甘い果実香や蜜香、ほのかな花香といった香気の高さと複雑性は、香りが自慢の烏龍茶類の装いです。
紅烏龍は、台湾茶の歴史のなかでは比較的新しいお茶。茶葉改良所台東分場が開発して2008年に生まれたお茶です。目指したのは、いままでにない“新たな個性を持ちあわせたお茶”。
台湾でお茶と言えば、凍頂烏龍、阿里山・梨山などの高山茶、文山包種に東方美人、木柵鉄観音、日月潭紅玉紅茶とそれぞれに個性を持ち、どれも有名で人気のある銘柄が立ち並びます。そんななか茶業が振るわなかった中低海抜茶区の新たなお茶として開発されたのが「紅烏龍」でした。
烏龍茶の加工方法をベースに紅茶の加工方法を取り入れて、充分に酵素活性をさせて、しっかりと焙煎をかけて仕上げます。いわば、烏龍茶と紅茶の特長を生かした作りです。

これにより紅烏龍の品質は、烏龍茶類が得意とする熟した果実香、蜜香、柔らかな花香といった香りの高さと、紅茶を思わせる美しい赤い水色と甘い厚みのある余韻が自慢のお茶になりました。
また充分に酵素活性をさせて、しっかりめの焙煎で仕上げているので、後熟も楽しめるお茶でもあります。
今回YouChaに入荷した紅烏龍は、明確な蜜香や花香を持ち、蜂蜜を思わせる甘い味わい。
烏龍茶の中でも茶農さんの手加減によって、それぞれ香味に個性の違いが生まれやすいお茶なので、飲んでみてお好みの紅烏龍に出会えたときは“これは一期一会”と、どうしても買いたくなってしまいます。
さて、冒頭の疑問。紅烏龍が「烏龍茶なのか?紅茶なのか?」という感覚がわくのはある意味自然なこと。むしろそう感じていただけるのは紅烏龍にしてみたら、してやったりかもしれません。なぜなら烏龍茶と紅茶の両方の良さを合わせもった、ハイブリッドであることこそが、紅烏龍の自慢なのですから。

おすすめの淹れ方
【紅烏龍】
烏龍茶香りの繊細さと、きりっと感を楽しみたい時は「蓋碗」淹れで、
紅茶のような甘いこっくりとした滋味を楽しみたいときは「茶壷」淹れをおすすめします。
あつあつのお湯を注いだ瞬間から烏龍茶ような花香と紅茶のような甘い香りが立ち昇ります。
「蓋碗」と「茶壷」で、香味の出方がかなり異なるのが面白いです!
煎持ちが良いため、3煎、4煎の香味の変化を是非お楽しみください。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
あつあつのお湯を注いでね!
-
茶葉が開いてきたら抽出してください
-
お湯を継ぎ足して、何煎も飲めます
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 85 - 95℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回

白毫銀針とは?
茶類:白茶
白い生毛を纏った芽の部分のみを使って作られ、
まるで銀色の尖った針のような形状がこのお茶の名前の由来。
欧米でも’シルバーニードル’という名称で広く知られています。
乾隆帝の時代には今の白茶のオリジンとされる製法があったようで、
1796年に芽のみを使用して作る白毫銀針が誕生したと言われています。

一芯一葉で摘んだ茶葉を、揉まずにそのまま放置(萎凋)して
自然に水分を蒸発させながら作ります。
他の茶類にはない、独特のシンプル製法が
白茶ならではのスムースな口当たりと奥行きのある滋味をもらたします。
柔らかな中にも芯を感じる美しい佇まいのお茶です。

【産地】福建省政和県/福鼎市

Buyer's Memo
【白毫銀針】
白茶の2大生産地である福建省の政和と福鼎。
遊茶に入荷したのは芳醇な旨みが特徴の政和のもの。
茶葉の外形も重視する中国茶ですが、今回の白毫銀針は、やや細身のグリーンがかった茶葉に白銀の産毛を纏った、まさに“シルバーニードル”の佇まいです。
‘白い紅茶’、’白茶のシャンパン’とも称される白毫銀針は口に含むと
優雅でふくよかな風味に続いて、ドライフルーツを思わせる果実香と柔らかな旨味、
そして飲んだあとの茶杯には仄かに甘い香りが残ります。

中国茶は煎を重ねながら茶葉そのものの風味を楽しむ嗜み方はもちろん、
最近ではお菓子だけでなくお料理に合わせて、ワインのようにペアリングしたり、
水出しやブレンドティーを作ったりと飲み方も広がりを見せていて、その最先端にあると言えるのがこの白毫銀針を含む白茶類。
自らの存在感を示しつつも組む相手を選ばない白茶の懐深い風味は、
新たなお茶の楽しみ方を広げてくれる“色々な可能性を持ったお茶”でもあります。

おすすめの淹れ方
【白毫銀針】
茶葉の美しさと、香りの複雑性を楽しみたいときは
小さめのガラスポットで淹れてみては如何でしょう。
注ぐお湯の温度は、キリっとした香りを出したいときには高めで
旨味を強く出したいときは少し低めで調節してみてください。
煎を重ねながら、色々な味と香りのを楽しんで!

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
茶葉に直接お湯を当てないでね!
-
茶葉がお湯になじんできたら飲み頃です
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 85 - 95℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回

三峡碧螺春とは?
茶類:緑茶(烘青緑茶)
三峡碧螺春の産地は台湾新北市三峡地区。主に緑茶を作るのに向いている「青心柑仔」という品種で作られる緑茶です。もともとは中国緑茶の名茶「碧螺春」をお手本に作られたのが始まりと言われています。
乾燥茶葉は中国の碧螺春よりかなり大きめの、ゆるい螺旋状によじれた条形です。
三峡地区は200年前からお茶が栽培されていて、現在では三峡碧螺春や三峡龍井などの台湾緑茶の産地として知られる場所でもあります。

お茶水は美しい淡い黄緑色で、爽やかな花香と緑豆や青草、海苔のような香気、旨みのある滋味が特徴。
茶の香りと旨味を生かした“萎凋緑茶”の趣きがあるお茶です。

【産地】台湾新北市三峡区

Buyer's Memo
【三峡碧螺春】
台湾でお茶と言えば烏龍茶。
それもそのはず、台湾では高山茶や凍頂烏龍、四季春、文山包種、東方美人など生産量の9割近くが烏龍茶というまさに“烏龍茶王国”。その烏龍茶王国台湾において数少ない緑茶の生産地・三峡地区で、早春にしかつくられない産量の少ない緑茶がこの「三峡碧螺春」。
それゆえに、お茶好きの方でもなかなか飲む機会の少ない銘柄かもしれません。
遊茶では22年ぶりの入荷となりました。

2023年春、3年ぶりに台湾を訪れました。現地のお茶屋さんで久しぶりに飲ませてもらった三峡碧螺春は、いつも以上に美味しくて、それはコロナ禍が明けた世界の始まりと今年も無事にお茶の季節がめぐってきた“ハレ”の一杯だったのだと思います。
口の中に含むと爽やかな花香とレモンのような柑橘系の香り広がります。続いて、ほんのり甘い緑豆や晴れた日の青草、穏やかな海のような香気を感じられると、まるでひとり大自然の風に吹かれているような感覚に!?
そんな清々しさにも似た「喜びの一杯」をどうぞ。

おすすめの淹れ方
【三峡碧螺春】烘青緑茶
緑茶の旨みと柔らかな香気を楽しみたいときは、上投法(★)で淹れてみてください。
やさしい花香、緑豆や青草のような香り、緑茶の深みのある味わいが楽しめます。
(★)上投法 先にお湯を入れから、あとで茶葉を投入して淹れる方法。

手順とポイント
-
ポットに熱々のお湯を注ぐ
-
静かに茶葉を淹れる
先にお湯を入れたところに、あとから茶葉を投入する!
-
茶葉が開いてきたら飲み頃です。
-
お茶水を3分の1程残してお湯を継ぎ足します。
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 85 - 95℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回

三峡碧螺春(さんきょうへきらしゅん)
20g 1,296円 完売御礼
烏龍茶王国の台湾において作られる希少な緑茶
さわやかな花香とレモン、ほんのりと緑豆や青草、海苔を思わせる余韻
竹葉青とは?
茶類:緑茶(炒青緑茶)
お茶の始まりはどこ?との問いかけに‘’茶樹の発祥は雲南、茶の栽培と喫茶文化は四川にあり’と言われるほど、実はお茶の歴史を語るには欠かせない地域である四川省。竹葉青が育つ峨眉山一帯も古くから緑茶が栽培されている茶区です。
1964年、この地を訪れた当時の副首相が峨眉山万年寺で休息をとった時、
出された一杯のお茶を飲んでその味に感動したも、定まった名称がなかったことから名前が付けられたと言われています。
そのお茶こそ、青々とした竹の葉のような姿をしたこの「竹葉青」でした。

一芯一葉、もしくは一芯二葉で摘まれ、整然と成形された茶葉には100gに約1万もの芽が含まれています。深みのある甘い香りと、しっかりした厚みが感じらる炒青緑茶です。
最近では2019年に静岡で開催された「世界お茶まつり2019」で金賞に選ばれるなど、品質の評価は中国国内に留まっていません。

【産地】産地:四川省 峨眉山一帯

Buyer's Memo
【峨眉山竹葉青】
長い長い中国茶の歴史からすると竹葉青という名称は新しいと言えますが、名前を得た後、全国に広めるために強力な広告宣伝を展開し、見事ブランド化に成功しました。
そういえば、かつて北京の街なかで‘竹葉青’の大きな広告を貼ったバスが走っているのを見かけたことがありました。
お茶作りに於いても長年培われてきた製茶の技術を受け継ぎながら、積極的にオートメーション化を進めるなど‘伝統と革新’を取り入れて良質なお茶作りを目指してきました。まさに“現代名茶”して駆け上ってきたお茶です。

広大な茶園は標高600〜1500mの高山に広がり清明節前の30日間に間断なく、人の手で茶摘みが行われます。
2023年に入荷した竹葉青は3/13に摘んだ明前茶です。遊茶が創業以来培ってきた現地との繋がりのなかで、今回は価格以上の品質のお茶をお届けいたします。
たけのこを思わせる甘い香りを感じながらグラスのなかを静かに浮き沈みする、整った茶葉を眺めて
過去、未来、そして目の前の‘今’に思いを巡らせながら飲んでみるのも一興かと。

おすすめの淹れ方
【竹葉青】緑茶(炒青緑茶)
縦長のグラスやChattle®で淹れると美しい薄緑の揃った茶葉が直立したまま上下に分かれてお湯の中を漂い、やがて静かに沈むのを眺めることができます。
柔らかな甘い香りと、比較的しっかりとした旨味が緑茶を味わったという満足感をもらたしてくれるはず。
お湯を注ぎ足しながらじっくり飲むのがおすすめです。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れて、お湯を注ぐ
このとき茶葉にお湯を直接当てないでね!
-
茶葉が沈んできたら飲み頃です。
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 85 - 95℃
- 約3g
- 約1分
- 抽出回数
- 3 - 4回

君山銀針とは?
茶類:黄茶
産地は湖南省の洞庭湖君山。茶葉の外形が針のように細く真っすぐなことからその名前がついています。
唐代に作られ始め、清代に皇帝へ献上される貢茶の一つとして名を連ねた君山銀針は、
希少な黄茶の中の最高峰といわれる銘柄です。
「悶黄」という工程を経て作られる黄茶は
少し黄色味を帯びていて他の茶類にはない風味を持ちあわせます。
美しく揃った茶葉はグラスで淹れるとお湯の中を直立したまま
上がったり下がったりする「三起三落」と称される現象が見られます。

やわらかな甘い香りと喉の奥で感じられる独特の余韻が 高貴な味わいを醸し出す名茶です。

【産地】湖南省洞庭湖君山

Buyer's Memo
【君山銀針】
「悶黄」という一手間から生み出された風味がどんなものか味わってみたい!と飲んでみたものの、それを言葉にするのはなかなかに難しい…と思ったのが最初の印象。
一回飲んで分ろうなんて、そんな焦るものじゃない、と窘められたような気がして、
いつかお茶を飲み慣れたら君山銀針の深みを感じられるようになる事を励みに
’嗜みたいお茶’、かもしれません。
君山銀針は生産量が極めて少なく、それだけでも稀少なお茶です。
殺青した茶葉を紙で包み、時には三日三晩かけて「悶黄」をしてようやく出来上がります。
今年遊茶に入荷したのは、3/25に新芽を摘んで製茶したものです。

こうして丁寧に時間をかけて作られた君山銀針は丸みのある独特の風味。
蒸し上がりの穀物のような甘い香りに、ほんのりお出汁のような旨味と
喉の奥で感じる深い余韻は、名茶の風格充分に仕上がっています。
茶葉がお湯の中をゆっくりと上下する「三起三落」を眺めながら、じっくり味わってみてください。

おすすめの淹れ方
【君山銀針】
芽のみを使用した美しく揃った茶葉は透明な耐熱グラスやChattle®で淹れて、
その姿を鑑賞するのもおすすめです。
茶葉がお湯の中を上下する「三起三落」を見られるかも。
あとはお湯を注ぎ足しながら煎を重ねて味わってみてください。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
茶葉に直接お湯を当てないでね!
-
茶葉の1/3くらいが沈んだら飲み頃です
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 85 - 95℃
- 約3g
- 約1分
- 抽出回数
- 3 - 4回

龍井茶とは?
茶類:緑茶(炒青緑茶)
‘緑茶の王様’とも称される龍井茶。数千年の歴史がありその銘柄は何千、何万あるとも言われる中国茶の中で最も名の知れ渡っているのがこの龍井茶です。
形は美しく、色は翡翠のよう、味は甘く芳醇で、香りは馥郁として全てが整っていることから龍井茶の風味は「四絶」と讃えられるほど。
摘採した茶葉は、数時間室内に置いて香り成分の生成を促したあと、熱した鍋の中で手のひらを巧みに押し当てながら、龍井茶特有の形である扁平に仕上げていきます。

ほのかに香ばしく甘い香りは「板栗香」とも呼ばれ乾隆帝の時代から今日に至るまで、広く長く愛されている名茶です。
その昔、西湖の西にある龍井村で作られはじめた龍井茶は、現在では西湖周辺だけでなく浙江省全域で作られ、中でも紹興市新昌では産地の名を冠する品質に優れた龍井茶が作られています。

【産地】浙江省(全域)

Buyer's Memo
【新昌龍井】
2023年、遊茶がお届けする「新昌龍井」は、浙江省紹興市新昌県にある標高700mを超える’高山茶区’で育てられ、製茶されたお茶です。
この茶園との出会いは、2019年に放送されたNHK「世界はほしいモノにあふれてる」のロケの時でした。初対面で意気投合した茶園のオーナーに「来年はここの龍井を日本に届けます!」と約束した、そんな‘茶縁’がもたらしてくれた特別な一品です。

2023年は摘み取り前の時期に低温、雨続きだったために、この地域一帯も茶葉の成長が遅れました。今年の新昌龍井は4/14摘み。例年に比べると少し遅めの茶摘みになりましたが、花香とほんのりとした板栗香、コクのある滋味が感じられる上々の仕上がりです。
比較的しっかりと味が出る傾向にあるので、軽やかに味わいたいときには、いつもより茶葉を少なめにしたり、抽出のタイミングを早めにして好みの濃さに調整してみてください。
今年も変わらず龍井茶が飲める事に感謝をしつつ、ふっと一息、美味しい一杯をどうぞ!

おすすめの淹れ方
【龍井茶】
茶葉の形が美しいので、その姿を眺めるのも中国緑茶の楽しみの一つ。お湯を注ぐと茶葉がゆっくり開いていきます。
透明な耐熱グラスや
Chattle®でぜひ!お湯を注ぎ足しながらゆっくり楽しめます。
旨みを引き出したいときは、少し湯温を下げて淹れてみてください。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れて、湯を注ぐ
このとき茶葉にお湯を直接当てないでね!
-
茶葉が開いてきたら飲み頃です
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 85 - 95℃
- 約2g
- 約1分
- 抽出回数
- 3 - 4回

龍井茶とは?
茶類:緑茶(炒青緑茶)
‘緑茶の王様’とも称される龍井茶。数千年の歴史がありその銘柄は何千、何万あるとも言われる中国茶の中で最も名が知れ渡っているのがこの龍井茶です。
形は美しく、色は翡翠のよう、味は甘く芳醇で、香りは馥郁として全てが整っていることから龍井茶の風味は「四絶」と讃えられるほど。
清明節(4月5日頃)の前に摘みとった茶葉で作った龍井は「明前茶」として高級品として扱われます。
摘採した茶葉は、数時間冷暗な室内に置いて香り成分の生成を促したあと、熱した鍋の中で手のひらを巧みに押し当てながら、龍井茶特有の形である扁平に仕上げていきます。

清々しい清香とともに立ち上る、ほのかに香ばしく甘い香りは「板栗香」と称されて、乾隆帝の時代から今日に至るまで、広く長く愛されてる名茶です。
その昔、西湖の西にある龍井村で作られはじめた龍井茶の生産茶区は広く、現在では西湖周辺だけではなく浙江省域内の広い範囲で、各エリアの産地の名を冠する龍井茶が作られています。なかでも西湖周辺に位置する「獅峰」「龍井」「梅家塢」「雲栖」「虎跑」が産地のお茶はその品質の良さと限られた産量であることから龍井茶の高級品として名を馳せています。

【産地】浙江省(全域)

Buyer's Memo
【梅家塢龍井】
‘梅家塢龍井’この五文字を見て先ず思う事、「わ、凄いお茶だ。飲んでみたい!」、なぜそう思うのでしょうか。
龍井茶と言えば、何千、何万銘柄あると言われる中国茶のなかで最も名の知れたお茶。いわば龍井は‘中国茶の頂点’ “王道中の王道”と呼べる銘柄です。そして、その広く知れ渡っている龍井茶の中で、獅峰、龍井、梅家塢、雲栖、虎跑が産地の龍井茶は、それ以外の地域で作られた龍井茶と一線を画し、特別で高級なお茶として珍重されています。
有名で人気者である龍井茶の産地は広く、ゆえに品質や価格に於いては一定の範囲内においてバリエーションがあります。ただ残念ながら中には“西湖龍井”と謳って、実は産地偽装であったり、その品質に遠く及ばないものが存在しているというのも事実。そのような状況の中、遊茶が確かなルートで仕入れたこの梅家塢龍井は、龍井が龍井たるゆえんの“四絶(味、香、色、形が全て整っている)”と称される品質を高いレベルで持ち合わせた、買い付けルートがはっきりしているものです。

2023年、YouChaがお届けする梅家塢龍井は3/31摘みの明前茶。品種は「龍井43」で、半手工(半分手作り、半分が機械作り)で製茶した特級クラスのお茶です。
今年は摘み取り前の3月のお天気が低温・雨続きだったため明前茶の産量はやや少なめとなり、現地の取引相場は強気とのことでした。
さて、話はこれくらいにして、お茶を淹れましょう。
整った茶葉にお湯を注ぐと、清々しい香りのあとから、甘さが追いかけてきます。なるほど!このお茶を飲むと龍井茶が“四絶、色・形・香・味のすべてが完璧!”と謳われることに感服します。
一口飲むと、心地よい香りと滑らかなお茶水が喉を通過し、このお茶が持つ強い力が、飲んだ私の身体に沁み込んでいきます。もう何も考えず、唯々、グラスの中を舞う美しい茶葉を眺めながら飲めば、まるで四絶の龍井のように自分自身が整っていくようです。
至福の一杯をどうぞ!

おすすめの淹れ方
【龍井茶】炒青緑茶
茶葉の形が美しいので、その姿を眺めるのも中国緑茶の楽しみの一つ。お湯を注ぐと茶葉がゆっくり開いていきます。
透明な耐熱グラスや
Chattle®でぜひ!
軽やかな風味で飲みたいときは、茶葉の量を少なめにするか、抽出時間を早めで調整してみてください。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れて、湯を注ぐ
このとき茶葉にお湯を直接当てないでね!
-
茶葉が開いてきたら飲み頃です
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 85 - 95℃
- 2-3g
- 約1分
- 抽出回数
- 3 - 4回

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