一杯のお茶を飲むよろこび、一杯のお茶を淹れるたのしみ、
そのかけがえの無い一杯のために今年も遥か中国大陸、台湾、各地から
厳選した茶葉をお届けします。
蜜香白茶とは?
茶類:白茶
簡単に言うと、蜜香には欠かせない「ウンカ(チャノミドリヒメヨコバイ)」が咬んだ茶葉を使って作った白茶です。
ウンカが咬んだ茶葉を使って製茶をすると、蜜や花に例えられる特有の風味、いわゆる“蜜香”が現れます。
このウンカの関与を最大限に生かして生まれたお茶が、台湾が誇る東方美人(茶類:烏龍茶)ですが、その東方美人を作る茶葉を原料にして、烏龍茶製法ではなく、白茶製法で作られたお茶です。

しっかりとウンカが咬んだ上質な蜜香白茶は、一芯二葉で摘んだ時の姿のまま、乾燥茶葉は東方美人に似て美しく、褐色、白、紅、黄色、緑と色も豊か。
きらりと光る黄金色の茶水に、東方美人にも共通する花のような、蜜のような、果実のような“蜜香”が感じられます。蜜香や白茶類の特徴である‘’後熟‘’がどのように現れてくるのか、3ヵ月後、1年後と経年変化も楽しみなお茶です。

【主な産地】台湾 新竹県、桃園市、など

Buyer's Memo
【蜜香白茶】
フォルモサティーとも呼ばれる台湾が誇るお茶・東方美人の原料茶葉を使って、白茶を作りました。
ひとつ、このお茶が興味深いのは、東方美人の茶農さんがその技術と最上の原料をもって作った白茶だということ。普段は製茶の工程が複雑な「東方美人(烏龍茶類)」を作る茶農さんが、<萎凋→乾燥>という最もシンプルな製法である「白茶」の作りをべーズに、少しだけ揉捻を加えて作ったお茶だという、ことです。
もちろん使った茶葉はしっかりとウンカが噛んだ、つまり‘蜜香’が存分に現れる可能性を秘めた一番摘みの白鷺品種。手摘みをした茶葉を2日間萎凋します。
さて、その出来上がりは、いかに。
乾燥茶葉からも匂い立つ甘い香りに、蜂蜜のような黄金色をしたクリアなお茶水、はっきりとした輪郭のある花香、果実香、蜜香。渋味のない甘くてなめらかな滋味は、まるで水蜜桃のよう。
東方美人の名手が作ったこの蜜香白茶は、シンプルで奥深い白茶の味わいと華やかな東方美人の風情を纏った、上質で美しいお茶に仕上がりました。

それにしても、文字をみただけで美味しそうで、つい惹かれてしまう「蜜香」と、抗酸化作用などの機能が注目される人気の「白茶」。このところお茶の世界でトレンドの2つをそのまま組み合わせたようなお茶ですが、このお茶を作った茶農さんに「東方美人の名手がどうしてわざわざ蜜香白茶を作るの?流行っているから?」と尋ねたところ、「いつもと違うお茶を味わってみたいからさ」と、さらりとひとこと。
お茶を飲む楽しさと、しっかりとした技術に裏打ちされた遊び心から生まれたお茶は、なんだか、余裕があって格好いい。そんな遊びごころと、お茶の新な可能性を秘めた、新しい味わいのお茶です。

おすすめの淹れ方
【蜜香白茶】
茶葉の香りの変化を楽しみたいときは、蓋碗を使って、
1煎目、2煎目、3煎目・・・と淹れて、飲んでみてください。
煎ごとの香りの変化を感じながら、楽しめます。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
お湯を注ぐ
湯温は沸かしたものをちょっと下げて90℃くらいに。茶葉に直接お湯を当てないでね!
-
1煎目は茶葉が開いてきたら早めに抽出。
2煎目、3煎目、は抽出時間を延ばながら、茶葉がもつ香りと味わいを引き出します
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 約90℃
- 約3g
- 約2分
- 抽出回数
- 3 - 4回

蜜香白茶(みっこうはくちゃ)
10g 2,808円 完売御礼
黄金色に輝く茶水に、明確な花香、マスカットや白桃のような果実香、蜜の香り
極上の東方美人にも似た、曇りのない透明感のある水蜜桃のような味わい
ジャスミン茶とは?
茶類:花茶
ジャスミン茶(茉莉花茶)は、ベースとなる茶葉にジャスミンの花で香りをうつした「花茶」のひとつ。
その昔、輸送システムが発達していない時代に、お茶の産地から遠く、新鮮な緑茶が手に入りづらかった地域でも花の香りを付けることで、美味しくお茶が飲めるようにと加工されたのが成り立ちと言われています。そのため、お茶の産地ではない北京など北部地域で、よく飲まれてきたお茶です。

芳しいジャスミンの香りは、多くの人に愛され、花茶といえば、ほぼ茉莉花茶という程の生産量と人気を誇っています。
ベースに使われるお茶は主に「烘青緑茶」ですが、今では「白茶」や「烏龍茶」にジャスミンの香りをうつして作られる茉莉花茶も登場しています。

【主な産地】福建省、広西チワン族自治区など

Buyer's Memo
【耳環花茶】
“イヤリング・ジャスミン”という名前のこのお茶。
そのきらりと輝く小さな環状をした茶葉の形から、「女児環(ニューアールファン)」(女の子のブレスレットの意)や「貴妃玉環花茶」との名称も持つ、ジャスミンティーです。
たしかに見ために可愛らしく、心地よいジャスミンの香りを放っていますが、お値段はあまり、いや全然可愛くない…なぜこの耳環花茶は上等なのでしょう?
お茶の品質には幅がありますが、ジャスミン茶の場合、その品質は主に「ベースとなる茶葉」と「ジャスミンの香りの付け方」によって決まってきます。
今回遊茶に入荷した「耳環花茶」は、福建省福鼎が産地。早春に摘んだ若い芽の部分を一つ一つ手作業で丸めて環状に成形し、白茶を作ります。次に、この上質な原料で手間をかけて作った茶葉に、ジャスミンの香りを付けます。

茉莉花茶は、製茶した茶葉に本物のジャスミンの花で香り付けをします。
茶葉に花の香りをつける工程は「窨制(いんせい)」と呼ばれ、まず、べースとなる茶葉に当日の夜に花開くジャスミンの蕾を混ぜて、堆積と攪拌をくり返しながら一晩かけて香りを吸着させた後、翌朝、花だけを取り除く。そしてその日の午後、また今晩開花する新しい蕾を茶葉にまぜて、一晩かけて香りをうつし、翌朝花だけを取り除く、という工程を繰り返します。この工程は一般的に3~7回くり返され、“窨”の回数が多いほどジャスミンの香りは高くなっていきます。
この耳環花茶は10回程度窨制を行った“十窨”のジャスミン茶です。
品質のよい茶葉にはそれに釣り合うように「窨制」も丁寧に何回も行われるため、出来上がった茉莉花茶は、茶葉自体の風味も豊かで、ジャスミンの香りが高いまま持続する、上質なものとなります。
まるでジュエリーのような佇まいの茶葉が放つ、鮮やかなジャスミン香と甘いホワイトティーの香り。
口に含めば、小さく光る大切な宝石を身に付けた時のような、何ともあがる気分にさせてくれるお茶です。

おすすめの淹れ方
【耳環花茶】
蓋碗を使って淹れると、この茶葉の良さを余すところなく楽しめます。
華やかなジャスミンの香りと甘く滑らかな味わいが感じるられると共に
くるりとした愛らしい茶葉を眺めることができます。
最初は軽やかなジャスミンの香味が、時間と共に濃くなっていき、茶葉の甘い香りが重なっていく煎毎の変化も分かりやすい。
淹れ方のコツは「さっと抽出、何煎も淹れる」こと。
耳環花茶の圧倒的な香りと、透明感のある味わいが長く楽しめます。

手順とポイント
-
蓋碗に茶葉を入れる
(※目安は蓋碗100㏄に茶葉3g)
-
お湯を注ぐ
とくに茶器を温める必要はありません
茶葉にお湯を直接当てないように注ぎます。 -
早めに抽出する
あまり時間をかけずに抽出してね。
-
まずは立ちのぼるジャスミンの香りを、口に含むとお茶の甘みが感じられます
-
再びお湯を淹れて、さっと抽出。
3、4煎とジャスミンの香りが持続します。
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 85 - 95℃
- 3g
- 約1分
- 抽出回数
- 3 - 4回

耳環花茶(みみわはなちゃ)
10g 1,404円
早春に摘んだ若芽で作った白茶が、鮮やかなジャスミンの香りを纏っています
上質な茶葉ひとつひとつを小さな環状に作り上げ、10窨(イン)した高級ジャスミンティー
ジャスミン茶とは?
茶類:花茶
ジャスミン茶(茉莉花茶)は、ベースとなる茶葉にジャスミンの花で香りをうつした「花茶」のひとつ。
その昔、輸送システムが発達していない時代に、お茶の産地から遠く、新鮮な緑茶が手に入りづらかった地域でも花の香りを付けることで、美味しくお茶が飲めるようにと加工されたのが成り立ちと言われています。そのため、お茶の産地ではない北京など北部地域で、よく飲まれてきたお茶です。

芳しいジャスミンの香りは、多くの人に愛され、花茶といえば、ほぼ茉莉花茶という程の生産量と人気を誇っています。
ベースに使われるお茶は主に烘青緑茶ですが、今では白茶や烏龍茶にジャスミンの香りをうつして作られる茉莉花茶も登場しています。

【主な産地】福建省、広西チワン族自治区など

Buyer's Memo
【小龍珠花茶】
なんとなく心地がよくなるからか“この香り”を飲みたくなるのが、花茶の女王・ジャスミンティー。花茶のなかでは圧倒的な生産量と人気を誇っています。
ただ、中国国内で流通している茉莉花茶の品質には幅があるのも事実。ジャスミンの香りも怪しい安価なものから、ベースとなる茶葉にもジャスミンの花の質にもこだわった高級品まで存在します。では、その違いはどこからくるのでしょうか?
茉莉花茶は、製茶した茶葉に本物のジャスミンの花の香りを吸着させて作ります。
「窨制(インセイ)」と言われる茶葉に花の香りを付ける工程は、まず、ベースとなる茶葉に当日の夜に花開くジャスミンの蕾を混ぜて、一定時間堆積と攪拌をくり返しながら一晩香りを吸着させた後、翌朝しおれた花だけ取り除く。そしてその日の午後また今晩開花する新しい蕾をまぜて、一晩かけて香りをうつし、翌朝花を取り除く、という工程を繰り返します。この工程は一般的に3~7回行われ、“窨”の回数が多いほどジャスミンの香りは高くなっていきます。

ジャスミン茶はこの香りづけだけでなく、実はベースとなる茶葉も重要。品質のよい茶葉にはそれに合わせて「窨制」も行われるので、お茶自体の風味も豊かな上質な茉莉花茶となります。
今年遊茶に入荷した「小龍珠花茶」は、白毫がある比較的若い茶葉を使って白茶を作り、それに5回窨制を行った“五窨”のジャスミン茶です。
まるで小さなパールのような愛らしい形の茶葉が放つ、鮮やかなジャスミンの香りと仄かな甘み。
どうやら気持ちまで穏やかに整えてくれるようです。

おすすめの淹れ方
【ジャスミン茶】
ジャスミンの香りは、ポットや蓋碗、Chattle®などでさっと淹れても鮮やかに香りたつので、気負わず淹れて楽しめるも嬉しい限りです。
お湯を継ぎ足しながら、何煎も飲めます。

手順とポイント
-
茶器に茶葉を入れる
とくに茶器を温める必要はありません
-
お湯を注ぐ
-
茶葉が開いてきたら抽出してください
一煎目はあまり時間をかけずに抽出
淹れ方の目安(300ccポット)
- 温度
- 85 - 95℃
- 約3g
- 約1分
- 抽出回数
- 3 - 4回

小龍珠花茶(しょうりゅうじゅかちゃ)
40g 2,160円 パック入
40g 2,462円 缶入
やわらかな甘みの白茶に、鮮やかなジャスミンの香り
白毫豊かなパールのような茶葉に、時間をかけて丁寧に香りをうつした上質なジャスミンティーです
プーアール茶とは?
茶類:プーアール茶(緑茶/黒茶)
Q:プーアール茶は、どんなお茶?
中国雲南省を産地とするお茶で、雲南大葉種から作られます。
独特の品質特徴を持つお茶で、「生茶」と「熟茶」の2つのタイプに分けられます。
形状は、かつての南北交易の主要交易品として“茶馬古道”と言われる長い道のりを経て、遠く消費地まで運ぶに当たり、単位当たりの重量計算がしやすく、持ち運びに便利な形状だったことから、現在も円盤状に緊圧された「餅茶」やブロック状の「磚茶」が主体です。なかには固めていないばらばらした「散茶」タイプもあります。

Q:「生茶」と「熟茶」って、なに?
プーアール茶は、製茶方法で「生茶(生プーアール)」と「熟茶(熟プーアール)」の2つに分けられます。
「生茶」は摘んできた鮮葉を晒し、殺青(加熱)、揉捻したあと、天日干しして毛茶(荒茶)にする、という製法をとる、基本的には緑茶です。製茶後すぐは渋みやフレッシュ感が強いため、一定期間をかけてゆっくり熟成させ、味わいがまろやかになるのを待って飲むのが一般的です。
「熟茶」は生茶の毛茶(荒茶)に「渥堆(あくたい)」という、人工的に微生物を関与させる発酵の工程を付加して作られるお茶で、黒茶に分類されます。赤みがかった黒に近い茶水と、陳香と言われる土や木質系の香りを有しています。日本で一般的に知られているプーアール茶はこちらの熟茶タイプです。
それぞれに風味の特徴は異なりますが、どちらも時間と共に熟成が進むことで、味わいが深くなるプーアール茶の顕著な特徴を持ち合わせています。

【産地】雲南省

Buyer's Memo
【プーアール茶】
色々な種類がある中国茶、どこからどう選べばいいのか、途方にくれることが間々あります。そのなかでも正直一番混乱するのが「プーアール茶」かもしれません。どれも違う味がすることに戸惑うし、その値段の幅にも驚きます。さて、どうやって選びましょうか。
“生活必需品”である一方、“飲める骨董品”とも称されるプーアール茶。
その昔、山岳や草原地帯に暮らす少数民族にとって、遠く“普洱(プーアール)から交易品としてやって来たお茶”は、「3日食料はなくとも、茶は1日も欠かせない」というくらい、貴重な栄養源でした。流通が不便であった当時、雲南省で作られたお茶は一旦“普洱市”に集められ、そこから馬やラバに積んで、雨風に晒されながら、数か月かけて消費地に運ばれて行きました。その間、茶葉は湿気や気温、微生物の作用などで変化を起こし、飲む人の手にわたった時には、自然な形で“熟成”されていたことでしょう。
この時間と共に熟成するというプーアール茶の特徴は、近年になって「越陳越醇」=古くなるほど美味しい、という価値を生み出し、プーアール茶は日用必需品というだけでなく、“時間が経ったお茶の風味を嗜む”嗜好品としても求められるようになりました。
さらに、古ければ値段も高く付くという、いつの間にか生み出された価値観のお陰で、年代物のプーアール茶はオークションに出品されて何千万円で落札されるなど、「プーアール茶バブル」なる現象まで起きたのです。

もちろん今日でも、中国から見た辺境の少数民族にとっては欠かせない日用品であり、一方、香港で飲茶に行けばポットで“ポーレイ(普洱)”が出てくるように、各地において日常で愛飲されていますし、一部の愛好家たちは、思いあって手に入れた自慢のプーアール茶をお気に入りの茶壷で淹れて振る舞って楽しんでいます。
さて、私はどうやって選びましょうか。思い至ったのは「自分基準」で選んでみること。一つは「私がこのお茶を買う目的」日常使いか、ちょっと贅沢して淹れたいか、誰かを想っての贈り物なのか。もう一つは「このお茶が自分の好みか」心地よい香りなのか、飲みたいと思うか。で、そんなことを考えながら、心のなかでひとりオークションをしてみたりして。
結果、そのお茶が自分好みで、見合ったお値段だった時は、まるで運命の人に出会ったような喜び!落札です。
ほんの小さな固まりに、時間と様々な味わいや物語が凝縮されているプーアール茶。しかもそれが時と共に深まるなんて。酸いも甘いも、喜びも悲しみも語りながら、一生かけて飲みたいお茶です。

おすすめの淹れ方
【プーアール茶】
プーアール茶は“紫砂茶壷淹れ”と相性のいいお茶です。
紫砂茶壷で淹れると、かどと雑味のとれた、丸みある味わいになります。
プーアール茶には専用の紫砂茶壷を作ることをおすすめします。
専用茶壷で淹れ続けると、”養壷(ヤンフー)”が進み、お茶水も一層美味しくなります。

手順とポイント
-
茶器を温める
-
茶葉を入れる
-
熱々のお湯を注いで、一旦、すぐに捨てます
茶器をしっかり温めて、お湯は熱々を使ってね
1、2回「温潤」をするとクリアな味わいが楽しめます -
再び熱々のお湯を注ぐ
-
茶葉が開いてきたら抽出してください
-
お湯を継ぎ足して何煎も楽しめます
淹れ方の目安 (300cc)
- 温度
- 95 - 100℃
- 約3g
- 約3分
- 抽出回数
- 3-5回

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