杉林渓高山茶25gすぎばやしけいこうざんちゃ

台湾では海抜1000ｍ以上の高地で育った茶葉で作られたお茶は「高山茶」と呼ばれます。このお茶の産地である“杉林渓茶区は”梨山茶区”、“阿里山茶区”と共に、台湾の3大「高山茶」産地のひとつですが、その始まりは新しく、1985年から86年にかてのこと。麓付近にある「凍頂烏龍茶」で有名な鹿谷郷の茶業関係者が、杉林渓地区の孟宗竹の林を切り開き、茶園にしたところから始まりました。この一帯、古くは樹齢千年を越す紅檜の巨木がつとに有名で、今は1000ヘクタール余りの孟宗竹の林が広がっているのは、それだけ土壌が肥沃な証拠。1年を通して雲霧に覆われ、日夜の寒暖差が大きいなど、良い茶葉に育つ条件がそろっている上に、芽吹いてから摘み取りに適したサイズに成長するまでに平均して55日を要することで、香味成分もたっぷりな状態に育ちます。それが、爽快さが持ち味の「高山茶」の中にあって、このお茶にある種骨太さが感じられる原因となっています。ちなみに、台湾における製茶は、今から200年程前、福建省や広東省から台湾に渡ってきた茶農、茶樹、製茶技術が源とされ、現在の台湾茶業は1866年、イギリスの貿易商John Doddが福建省安渓から大量の茶樹の苗を持ち込み台北市近郊に植樹し、茶師を呼びよせ、大々的に製茶を開始したことに始まります。その後、中国大陸とは異なる、独自の発展を遂げる中、1970年台半ば、新興国の安い茶葉が世界を席巻し、輸出用が振るわなくなった台湾茶が、マーケットを海外から国内へと転じ、品質の向上を図っていく中で、高地に茶園を作り生産を始めたのが「高山茶」でした。