小龍珠花茶50ｇしょうりゅうじゅかちゃ

茶葉の吸香性の高さを利用し、新鮮な花の香りを吸わせたお茶を「花茶」といいます。飲用の乾燥させた花そのものや、その花を製茶後の茶葉に加えたものは、本来「花茶」とは呼びません。「花茶」の原料となる花はいくつかありますが、中国茶においてはジャスミンの花を使用したジャスミン茶が圧倒的に大勢を占め、中国大陸では緑茶をベースとしたものが一般的ですが、白茶ベースのものも増えています。ジャスミン茶の主な産地は「花茶」を作るのに適したジャスミンの栽培が可能な福建省、広東省、四川省、広西チワン族自治区など。ジャスミン茶作りは、まず当日の夜に開花すると思わるジャスミンの蕾を昼間に摘み取ることから始まります。夕方、その蕾を堆積させた茶葉に混ぜ込んだ後、一晩中、一定時間ごとに通気を行い、翌朝、枯れた蕾を取り除き、その後、茶葉が花から吸収した水分を飛ばすという、手間と時間のかかる作業です。この一連の作業を“窨(イン)花”といい、品質の良いジャスミン茶は“3窨”、すなわち、“窨花”を最低でも3回繰り返して作られます。北宋初年（930年）に樟脳の香を付加したお茶を献上したとの記録があり、これが「花茶」の起源とされています。その後、元代には蓮の蕾の中に茶葉を入れ一晩置いておく「蓮花茶」についての記述があり、明代に入るといくつかの製法がより詳しく記載されていたりと、徐々に発展していきながら、清代にはほぼ現在の製法を確立し「花茶」という商品として市場に出回るに至ります。清代咸豊年間（1851～1961）には福建省福州に大規模な窨花工場があり、1900年には10を越す生産者が中国北部を市場として、年間で1500トンほどを生産していたとの記録が残っています。