This Tea
「包種茶」とは140年ほど前、福建省安渓を発祥とする上級茶用の包装の名称でした。1873年から始まった恐慌は、それまで好調だった台湾の茶葉輸出に壊滅的な影響を与えたのに対し、一部の茶商たちが、売れない茶葉を福建省福州に運び、花の香りをつけ、「包種茶」の包装で輸出することを試み大成功を納めます。すなわち、当時、台湾では「包種茶」とはほぼ「花茶」を意味しました。その後1880年代に入り、福建省から台湾にやって来た王氏と魏氏の両名が、花の香りを移すのではなく、茶葉自体から花香を引き出す製茶技術の研究を始めます。ふたりはそれぞれに異なるタイプのお茶を作り上げますが、このうち、現在の「文山包種茶」の始祖となったのは魏氏の製法の方で「南港式製造法」と呼ばれています。
Buyer's Memo
2021年の「文山包種茶」は、別称”清茶”の名に相応しい清涼感のある口当たりながら、青味が突出することなく、きめ細やかで優しい滋味が口全体にフンワリと広がる仕上がりとなりました。上品で繊細な花香が軽やかに鼻孔に抜けていきます。思いの外、煎持ちが良く、3煎目以降、長浸けした茶水を是非、お試しください。
Data
6大茶類 烏龍茶(青茶)
産 地 (台湾)新北市坪林区
茶 樹 青心烏龍
製茶時期 2021年4月中旬
内容量 50g