This Tea
産地の武夷山は景観と文化の両面で世界遺産の指定を受けており、巌茶の産地は福建省武夷山市に限定されます。このあたりでは、400年代からお茶が作られていたとのことで、1700年頃に烏龍茶らしき製茶法が始められたとされ、烏龍茶発祥地の最有力候補になっています。現在、800以上もあるという銘柄はその歴史の長さに加え、作る人と飲む人の熱意の証明であり、語り継がれる多くの逸話は人々の武夷巌茶に対する尊敬と憧れの現れに他ならず、それはKing of 烏龍茶という呼称に凝縮されています。ミネラル豊富な土壌と水に育まれた茶葉は、卓越した製茶技術と相まって実に力強い茶に仕上がり、その風味全体の特徴は巌韻と称されます。
Buyer's Memo
現在、「大紅袍」という名称には3つの使い方があり、母樹の遺伝子を受け継いだお茶を指す場合、数種類の巌茶をブレンドしたお茶を指す場合、そして「武夷巌茶」と同等の意味で使われる場合。この「大紅袍」は、原料茶葉は北斗1号。長い間、北斗1号は「大紅袍」母樹の遺伝子を受け継いだクローン茶樹として捉えられてきましたが、これを否定する説もあります。真実や如何に…という気持ちもありますが、6本あるという「大紅袍」の母樹のDNAも一通りではなく、旅の途中で病に伏した皇帝を救ったというお茶も、この母樹のいずれか1本のものだったのか、数本のブレンドだったのか。ということは、「大紅袍」という銘柄は、原料茶葉の問題ではなく、理想の品質をしてそう呼ぶのだろうと理解できそうです。今年の「大紅袍」も期待通りの仕上がりです。香、味、全てにおいてバランスの良さは群を抜いています。柔らかい花香のあとに続く甘い余韻、ややしっかりめの焙煎による重厚な味わい。巌茶の奥深さをしみじみ感じる逸品です。
Data
6大茶類 烏龍茶(青茶)
産 地 (中国大陸)福建省武夷山
茶 樹 大紅袍
製茶時期 2021年6月
内容量 10g