お茶の話、あれこれ|竹葉青を淹れる
今回は竹葉青を淹れながら、遊茶ふたりのとりとめのない茶飲み話。「竹葉青っていいお茶だよね、飲んでみると改めてそう思う」■竹葉青のイメージは“洗練”A:産地の四川省峨眉山あたりは2000年近い製茶の歴史がある場所で、竹葉青って中国緑茶がこだわる茶葉の形が美しく、もちろん香りよし、味も芳醇で、とても品質のいいお茶ですね。ちなみに「竹葉青」って聞くと、どんな印象ですか?B:15年以上前かな、初めて飲んだ時、他のどのお茶にも持ったことのなかった印象があって、それがずっと尾を引いているって感じかしら。一言で表現すれば“カッコイイ!”。A:中国茶の世界は、外観、香味に優れ、加えて歴史だとか蘊蓄だとかをこれでもかって、身に着けたお茶たちだらけ。ひとつひとつのお茶が天下を取っていて、いわば全員“私が主役!”状態。そんな名立たる名茶たちにも引けを取らない的な感じ、かなあ。B:そう、群雄割拠の中で、ただならぬ洗練性を感じた・・・んですよね。当たり前にクオリティが高いとされるお茶の要素は揃っていて、ただし、それが他にない香味だとか、無茶苦茶リッチだとか、今までに見たことのない形状を持っている、ってわけではなくて、でも、飲む人を瞬時にフワッと包み込んでしまう、それがもの凄くかっこよくて、洗練されていると感じたのかも。A:確かに!つるっと美しく整った形といい、お湯を注ぐ前からすでに茶葉から甘い香りがして、茶葉を眺めているだけで美味しさが伝わってくる。実際淹れて飲むと、甘い香り、花香、柔らかなグリーンな香りがバランスよくて、味はふわっとした優しい感じがありつつ、きちんと旨味もあって飲みごたえあるところが、精巧なお茶だなあ、と思いました。■その名は、登録商標だ! A:竹葉青って名称は、1964年に命名されたお茶の名前を、後に一つの会社によって1999年に商標登録されたんですね。ひとつの企業で茶名を独占するって、それってありなんだ?って気になりつつも、商標登録を強力な手段として、徹底したブランディングとそれに見合う精巧なお茶作りをしてきたからこそ、結果、竹葉青は有名茶になった、とも言えるのかな、と。B:竹葉青というお茶に懸ける並々ならぬ情熱というか、先見性があったというか。ちなみに「西湖龍井」「君山銀針」「祁門紅茶」「安渓鉄観音」などなど、有名なお茶はほぼ全て“国家地理標誌産品”という地理的表示保護を得て、一定条件に満たない茶葉は、その名を語ることはできず、官民挙げて品質の維持に尽力しているわけですけど、管轄エリアの拡大や企業数が多くなると、煩雑性も増してくるはず。竹葉青の場合は、ひとつの企業でいろいろな試みや決定が迅速確実に行われ、結果、あの“カッコイイ”香味に反映しているのかな、と考えたり。A:そんな竹葉青の良さを存分に生かす淹れ方、蓋碗もいいけど、きょうは敢えてチャトルで淹れてみましょうか。用意するのは、チャトルと茶海と飲杯。淹れるときに注意するのは、茶葉に直接お湯を当てない!■“蓋碗淹れ“と“グラス飲み”のいいとこどり<淹れ方の目安>※チャトル®の場合竹葉青2g:湯200㎖1煎目→1分30秒で抽出<いいとこポイント>→1煎目は美しい茶葉の姿を鑑賞する。蓋碗淹れのように繊細な香りを楽しむ。→2煎目以降は継ぎ湯をしながら、ゆるゆる、茶葉の香味を余すとこなく楽しむ。<具体的な手順>①チャトルに竹葉青2gを淹れる②チャトルを傾けて、お湯200㎖(90℃くらい)を注ぐ。★茶葉にお湯を直接当てないのかコツ★チャトルの場合、3分の2くらいで200㎖③開いていく茶葉を鑑賞しながら待つ④1分30秒で茶海に抽出する。1煎目のできあがり。飲杯に注いで、淹れたての香りと味を楽しむ。⑤チャトルを斜めにして、再びお湯を注ぐ。2煎目以降は継ぎ湯をしながら、ゆるゆると飲むB:カッコイイ茶葉も鑑賞できるし、香味も遜色なく出ているし、いい感じ。いいお茶だけど、なかなか手を出してもらえない・・・んですよね。A:そう、飲めばもの凄くよいお茶だってわかるけど、お値段的になかなか手がでないのが正直なところかも。B:日本国内で販売されている一般的な茶葉と比べて高いことは高い、いえ、相当高い。でも価値に対してそれなりに代価が支払われるものだとすると、手を出して買ってもらえないのは、このお茶の価値を伝えきれていないのだろうな、と。A:竹葉青の良さ、しっかりと伝えていかなきゃ。いいお茶だからこその醍醐味を是非味わってもらえるといいですよね。「竹葉青10g」の商品ページはこちら「新着茶葉2025」を見る